10月第3週

(1)秋を楽しみ、満喫できるしらびそ高原へ行く。
場所は長野県下伊那郡上村で、標高が2000m
近くあり、南アルプスの主峰が目前にせまる
大パノラマであまり知られない秘境の場所なのだ。
一般道路でこんなに高いところまで車で
登れるところは珍しく、夜空の天体観測の
メッカとしても有名な所だ。
朝六時半に出発、山岳コースなのでGパン
スタイルで出かけるが、少しきつく、高速道路のたびに
座りながら後ろポケットから財布を出すのは
至難の業だったのが、災いした。
面倒な為、足の間に挟んで運転をしており、恵那サービス
エリアで降りる頃には、すっかりわすれていた。
トイレに行き、休憩していると、若いオネーサンが
『グリーンのワゴンの人ですか』と尋ねて来た。
なにかのアンケートかと思い、耳を傾けると
『財布を落とされませんでした』と言うではないか
ズボンをさすると財布が無い。
免許証、現金、すべてのカード、金券と自分の持っている
全ての物が、入っている物なので、無くした事と
対策方法で、頭の中は真っ白になった。
『車の前で父が貴方達の帰りを待っています』と
聞いた時は、オネーサンが天使に見えた。
お父さんから財布を受け取り、最敬礼、丁寧にお礼をし
人の親切な心に感謝、感謝の気持ちで、雲1つ無い
秋晴れのコースを再度進行する。
南信濃地方に入ると、りんご畑が目立ち、いっぱい
実をつけたりんごの木が、おいしいニオイを漂わせている。
街道のりんご農場直売所に寄って、袋いっぱいに入った
りんごを、千円にて購入すると、おまけに又
りんごを二個つけてくれた。

たわわに実るりんご畑の前で


山岳コースに入ると、道幅3mも無い絶壁に
張り付くような道を行くが、崖側にガート
レールも何も無い道は、スリル万点だ。
途中に過去落下した錆々の車を見ると、さらに恐怖が
増すが、そんな折突然トイレに行きたくなる人がおり
国立公園に肥やしをあげるポイントがなかなか無い。
やっと見つけて用を済まして、出発しようとすると
サイクリング車が寄ってきて『連れが事故った
携帯電話が通じない、麓まで行って助けを
頼む』と言うではないか。
ところが、友人のドコモの最新型はサスガだ
アンテナが1本たっており、早速119番へ掛け
SOSを出すが、山道は目印が無いので
ふもとから何キロの地点などと連絡する。
なにやら足の骨が突き出ているような事故であり
今回の人助けをしたことで、前回の財布の件の
お返しを、別の人にしたようで
旅の楽しみと思い出が倍増した。
峠につくとそこは別世界の様相で、顔面にせまる
南アルプスの3000m級の山々が、赤茶けた頂上を
誇らしげに、空に向かって突き出していた。

南アルプス連邦の目前で


紅葉の山々と、南アルプスの赤茶けた山頂の
絶妙な風景をしばし楽しみ、しらびそ山荘の、雲上風呂
《外湯500円》をいただき、天国の少し手前の
気分になり、疲れを癒しながら至福の時間を過ごした。

まだ真新しい、しらびそ山荘


今週の評価 - 拉致被害者が一時帰国を喜こぶ日本  77点
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