最近の技術革新

最近の商品に対する技術の進歩には目を見張るものがある。
生活や社会活動に便利な物と現状よりもさらに経済的になる
物が、主流と思われます。
自分の会社での出来事で、かなり痛い目にあった事がある
この技術革新にはまってしまったのだ。
1つ目は、店舗を造るときに考えることでいかにコストを
下げるか、の取り組みの中で取り入れた物だ。
照明、空調、機器の異常警報などのコントロールを行う機器
は、大型のビルとか建物は、集中コントロールといって一ヶ
所で行われる。
このコントロールするものはだいたい200から300 くらい
あり、そのため電線をその倍数の 600 から800本を引く
事になる。通常これを計装工事と言う
この工事が大変で、ビルの隅々まで引かれていく、人間で
言うと神経線みたいなものだ。
ここに技術革新の目が向けられ、2本の電線のみで、すべ
てのコントロールと情報の収集をするものです。もちろん
コントロールする心臓部は、CPU です。
CPU から出た情報は変換機にてパルス化された情報で2本
の電線のすべてのところまで伝えられる。
コントロールされる機器の手前にまた変換機があり、パルス
を ON OFF の信号に変えて機器をスイッチィングする。
この計装工事金額が、従来方法より20%近く経済効果が出
るものだった。
この方式で30以上の店を作ってきたが、ここにきて不都合
が出てきたのだ。コントロールするはずの CPU の一部の
時計機能に時々狂いが出始めたのだ。
営業中に照明が切れたり、夜中に空調機器が回り始めたり
する症状が出てきた。
メーカーの松下電工に修理を依頼するが、CPU が基盤の
上にあり、CPU のすべてを代えなければ、だめとのこと、
では 代えれるかと聞くと、部品と機器はもう生産して
いないので ないと言う。法律的に生産中止をしてからは
7年間の部品、機器の供給義務があるだけだ。
後継機種は次々と技術革新されていて、今の CPU に取り
替えても だめだとの事、前後の変換機のすべてを取り替え
なければ駄目だとのことでした。
パルスの変換方法が技術革新で次々と変わっているのだ。
CPU のほんの一部の不都合で ビルの隅々までの機器に
ついている物のすべてを変えなければならなくなったのです
これには莫大なコストがかかることになる。
物のたとえでいえば、家の配電盤を取り替えたときは、家中
の照明器具、コンセント、スイッチ類のすべてを変えると
同じだと思われます。
CPU のタイマーの部品は 2000円ぐらいとの事ですが、変
換機すべてを取り替えると、1千数百万円もかかるのです。
当時のコストの8割ちかくがかかる計算だ。
この経験をもって、最近では最新技術を売り物にして次ぎ次
ぎと新製品を売り出すメーカー物は敬遠するようにしている。
又、最新技術のメーカー物よりも、後からの後発メーカー
物のほうが、コストネゴではかなり有利に契約できる。

次は図面などを書く、保存する CAD システムのことだ
最近は、CDR とか MO とかの保存するメデァの容量が
飛躍的に大きくなった。大きなビルの竣工図面 A1 が300
枚ぐらいは、楽々保存できることになる。
書棚の2本分が CD 1枚におさまれば、ラッキー、ラッキ
ーだと喜んでいたが、ふと 考えた。
ビルは五十年以上使うものだ。前記述のように痛い目にあっ
た人間は、ものごとに慎重にならざるをえない。
今の WINDOWS ME と AUTO CADのソフトで書か
れたCD が 五十年後に開くことが出来るのだろうか。
答えは NO だと思う、五十年後は、パソコン、WINDOWS
CAD の言葉すら知らない世代になっているはずだ
でも 建物を建てるときに役所の許認可をとる確認申請書に
添付する図面は、出来るだけ FD で持ってくるようにと国の
国土交通省のお達しがあり 最近では多くなってきているそ
うだ。
国をあげて IT 化を進めている一環だろう。先の事を少しで
も考えている人がいるのだろうか
とりあえず 自分の所では 紙による保存に限るとの結論で
図面の製本物で保存することにした。
このことを大手ゼネコンにぶつけてみたら、その通りだと言
う。
どうしても デジタル化すれば、その当時のシステムの入っ
たパソコンを保存しておくか、システム及び機器が変わるた
びに、デジタルデーターのバージョンアップを管理し続ける
しかないそうだ
結論は技術革新はいいことだが、落とし穴があるということ
だと思う。

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